「失われし時を求めて」@鴨川をどり

この週末は京都にて「鴨川をどり」なんてのをみてました。

独特にキッチュでベタで予定調和。季節の風物詩です。
オペラとバレエのポピュラーな演目たちとはちがってコスモポリタンな性格はまるで無い、リンカーンセンターなんかに持っていっても絶対に仕方がないw それどころか東京にも持って行き様がない。ベタベタなのは鹿島茂先生的に言えば「抽象度が高くない」ので、京都の先斗町歌舞練場とか祇園歌舞練場から切り離されると意味をなさない。

一歩間違うとほぼハトバス観光芸者ショー、しかしながら、非常に観光客向けになっちゃってますけど、元は京都での芸妓さんのショーピース。普段はお大尽が奥座敷で愛でてる芸妓さんを一般人・女子供にも見せてあげるとか、お大尽が自分の贔屓の芸妓さんを優越感を持って応援するって性格が(多分)あって、もう失われゆく意味でもあるのですが、そのような日本の奥座敷?的な京都のアウラがあってこそ成り立つもの。

それでね、豆妓とかが声を揃えて「どうどすえ」とか媚態を示したりするってやっぱりすごく可愛いのです。あと田舎の料亭でもたまに芸者出てくるのですけども、比較するとですね、「他人様にお見せする舞やら芸のレベル」というものに関して素人ながらに感じるものもありますw


さて個人的には…
都をどり」やら「鴨川をどり」のお皿ってのは、父の実家にいっぱい溜まってるものでした。その昔祖父が現役バリバリの頃は会社役員としてトンネル会社作って怪しげなお金で「接待」と称して祇園遊びにはまってたそうです(?)、その流れでこういうイベントにも得意満面で顔出し、、。昔はまずまずお大尽系の血族だったはずだけど色々ですっかり貧乏になってしまって、「二代続けて貧乏学者やったら不味いだろ」と医学部に行ったってところもあります。だからあたしにとっては大学でずっと「研究」とかやって遊んで「清貧」系なのは本末転倒なのでそろそろ卒業せんとね、。


今回は一人で行くのも寂しいし、「鴨川踊り」がちょうどよい機会でもあるので、可愛い後輩のお嬢さん女医さんがヨーロッパに「留学」に行きたがってたのを、ヨーロッパの某市にとっかかりのあるシニア(=私が部屋住みの時の舎弟頭?)の先生に引き合わせてみました。このお嬢さん博士も給料安いけど9時-5時勤務で非番の日の病棟とか一切気にすることないし、元舎弟頭先生昔からノーブルな雰囲気、「患者急変で予定変更」の心配だけはせんでもOKと。予想通り相性がよいようで色々もりあがって色々怪しげな話題+華やかな固有名詞が飛び交う、。この手の人間の楽しさは大学病院で一次救急までやってるような泥臭い地方新設ではないよなぁとシミジミ(←少々鼻持ちならない感想)