「日本の市場」の価値?@医薬品

言うまでもなく日本の人口は1億2千万人

決して少なくはないけども大きくもない微妙な規模だと思います。
人口では中国やインドよりはるかに少ないし、一般的な購買力でも北米やEU丸ごとなんかよりはかなり下、、しかしながら1億2千万ってことで日本語だけのビジネスも相当規模成り立つ。携帯電話のトンデモ機能なんか「ガラパゴス進化」と一部では言われていたり。ある意味では痛し痒しかもしれませんが相当マニアックな本や映画だって日本語に翻訳されていたり字幕が付いたりもする。


さて
他の業界はともかくとして医療業界はどうか?

うーむ、外資系製薬業界は日本の医療事情のガラパゴス状況を見切って舐め切ってるのでないか?(痛!)という気がしてます。

まずは、日本の保険医療はものすごく「平等」なんですよね。生活保護のひとが高血圧やらなんやらで普通に大学病院や日赤旗艦病院など受付して待っておれば受診(むしろヒマなので受診しやすい)して、その時点のbest availableの薬剤を貰える。
(最近でこそある程度のところで「病診連携」とかいうてある程度のところで開業医に振り分けられる圧力強くなってますけど)

アメリカならば例えば高血圧のひとにベーリンガーが絶賛販売促進中のミカルディスなんて比較的新しいのを処方したら、HMOとか保険料安い系の保険機関は「フザケンナ凸」というて支払いを留保するに決まってるのですよね、で安い利尿剤が処方される。要するに保険料の高いPPOとかそういうところの加入者であってはじめてハイエンドの降圧剤を処方してもらう権利があります。(注:ベーリンガーに他意があるわけではございません)


これが日本の方だと、そーいう文句言うpartyもおらんし高額医療の自己負担も上限あるのでハイエンドの新薬を貧乏人相手にもじゃぶじゃぶ処方出来るという構造になっております。ちなみに日本での価格は降圧剤のミカルディス40mg錠が154.2円に対し古くからの利尿剤のラシックスジェネリック(フロセミド20mg)は3.6円であります。
(一応言うておきますけど「医薬分業」ってことになってるので高い薬処方しても病院も、それからまして個人の医者も儲かりませんん、っていうか薬価のことなんか滅多に考えない医者が殆どです、私もこの稿を書くのにあたってググってみて上記の値段の差に驚きましたw)

最近でこそ「ジェネリック」という声も聞こえてますがクスリ屋にとっての勝負どころはまだジェネリックが出てこないうちに売れ線の新薬を売りまくって開発費をとっとと回収して利潤を重ねることになりますわね。
だいたい殆ど誰も値段のことなんか気にしないのやから(ジェネリックが出てるような)古いクスリにはないセールスポイントを並べれば新しいのが売れるに決まってます。値段を気にしないという設定であれば「旧型プリウスと新型プリウス、どちらでもお好きな方をどうぞ」っていわれたら新型持って行くに決まってますわねえw あるいはユーノスロードスター乗りたいのを軽自動車で間に合わすひとも世の中に居ないであろう・・。


北米の人口はカナダ含めて3億3千万人らしいですが、こと一日分の薬価が千円前後みたいなハイエンドのお薬の実質的な市場規模で言えば、日本のマーケットとしての美味しさもあまり変わりないかむしろ大きいくらいかもしれんです。
(医療者の労賃は両者で大きな違いありますが、薬剤単価はあまり変わりありません orz)