助産師業界の無責任とカルト親和性

カルト系助産所がビタミンKの代わりにトンデモなレミディとかいうのを与えられ&「ビタミンK投与した」と母子手帳に虚偽記載して、結果的に乳児が出血で死んだ件。

当の助産師自体のお粗末さは言うまでもないし、この場で今更、自然なんちゃらとか代替医療の胡散臭さも言わずもあがな。
(一言だけ:そもそも「自然」にまかせてたら「自然淘汰」も含めて乳児死亡率も高いし色々な疾病にもなすすべはないわけです。そして近代医学が発達するまでの人類の歴史は数万年?、その「数万年」の人類の努力の重みをどう考えるのか?)

問題にしたいのは下記のような声明を出すような「日本助産師会」とかいうののセンスとメンタリティ。文章のヘタさ支離滅裂さ、そして奥歯にモノが挟まったような言い方。全体にこいつらは医者よりもだいぶ代替医療に親和性が高いのだな、とか、自然なんちゃらマンセーのひとらがかなり勢力を持ってるのだな、と思います。


で、蒸し返して思い出すのは、福島県大野病院の産婦人科不当逮捕の時に、様々な医療系団体が緊急声明を出してていたのだけど、あたしの記憶が正しければ、こいつらは何も発言しなかったと思うのですよね。「看護婦の内診」とかではあれほど騒いだくせに、。

助産師の「専門性」「医師からの独立性」を主張するのであれば、分娩事故で同じように逮捕されたりしかねないことに当事者意識を持つべきなのに、なんで沈黙? 職能団体としては相当無責任な連中だなとも思いますが、結局のところは独特の患者への阿(オモネ)っていて&医者を潜在的に敵視してるカルト系助産師やそのシンパの影響力が強い、っていうかはっきりいえばかなりカルトに汚染されてるのだろうとも思うのですね。

東洋医学代替医療等に関する日本助産師会の見解
http://www.midwife.or.jp/pdf/k2.pdf

 助産師は、「保健師助産師看護師法」に基づき、正常妊産婦及び新生児に対する診査やケアを提供することを業務としている。具体的な助産師の役割 や責務に関しては、本会で、「助産師の声明」や「コアコンペテンシー」に規定し、公表している。
 助産師は、女性や新生児が本来持っている力を最大限に発揮できるよう支援している。それゆえ、生理的な自然の力を重視し、業務を行っている。
 助産師は、活動の対象としている人々に対して、人間存在を全体的に捉えるべきであると考えている。すなわち、西洋医学を中心とした上で、食事療 法、東洋医学代替医療等も包含する統合医療の観点から理解しケアを展開している。
 分娩を取り扱う開業助産師の業務基準に関しては、「助産所業務ガイドライン」を定め、それに基づき、母子の安全性を最優先した業務を実施してい る。
 したがって、助産学に付随する医学の考え方の基盤は、いうまでもなく西洋医学であり、あくまでも西洋医学的見解を主に助産学が展開されているこ とは既存の事実である。それゆえ、助産師業務にまつわる妊産褥婦や新生児の様々なケアに関する考え方も同様である。

 それゆえ、ビタミンK2の投与や予防接種は、インフォームド・コンセントのもと推奨されるべきである。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100709-OYS1T00214.htm
「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴

 生後2か月の女児が死亡したのは、出生後の投与が常識になっているビタミンKを与えなかったためビタミンK欠乏性出血症になったことが原因として、母親(33)が山口市助産師(43)を相手取り、損害賠償請求訴訟を山口地裁に起こしていることがわかった。

 助産師は、ビタミンKの代わりに「自然治癒力を促す」という錠剤を与えていた。錠剤は、助産師が所属する自然療法普及の団体が推奨するものだった。

 母親らによると、女児は昨年8月3日に自宅で生まれた。母乳のみで育て、直後の健康状態に問題はなかったが生後約1か月頃に嘔吐(おうと)し、山口市の病院を受診したところ硬膜下血腫が見つかり、意識不明となった。入院した山口県宇部市の病院でビタミンK欠乏性出血症と診断され、10月16日に呼吸不全で死亡した。

 新生児や乳児は血液凝固を補助するビタミンKを十分生成できないことがあるため、厚生労働省は出生直後と生後1週間、同1か月の計3回、ビタミンKを経口投与するよう指針で促している。特に母乳で育てる場合は発症の危険が高いため投与は必須としている。

 しかし、母親によると、助産師は最初の2回、ビタミンKを投与せずに錠剤を与え、母親にこれを伝えていなかった。3回目の時に「ビタミンKの代わりに(錠剤を)飲ませる」と説明したという。

 助産師が所属する団体は「自らの力で治癒に導く自然療法」をうたい、錠剤について「植物や鉱物などを希釈した液体を小さな砂糖の玉にしみこませたもの。適合すれば自然治癒力が揺り動かされ、体が良い方向へと向かう」と説明している。

 日本助産師会(東京)によると、助産師は2009年10月に提出した女児死亡についての報告書でビタミンKを投与しなかったことを認めているという。同会は同年12月、助産師が所属する団体に「ビタミンKなどの代わりに錠剤投与を勧めないこと」などを口頭で申し入れた。ビタミンKについて、同会は「保護者の強い反対がない限り、当たり前の行為として投与している」としている。
(2010年7月9日 読売新聞)